活動報告2@ケアプラン新大工
Posted by ヒューマン・コミュニティ新大工 | 2026-10-07 14:33
正解を押し付けない「意思決定支援」とは?現場で活かす3つの基本原則と6つの姿勢
先月、地域ケア推進会議(専門職向け)に行ってきました。
とても興味深く、学びの多かったので活動報告という形で共有します。
1. なぜ今「自己決定支援」から「意思決定支援」なのか
長崎市社会福祉協議会の専門員からの講義をもとに、福祉現場における「意思決定支援」の学びをお伝えします。
これまでの「自己決定支援(自分で決めてもらう支援)」では、重度の認知症や障害などで意思を表しにくい方が置き去りになってしまうという矛盾がありま
した。そこで今は、自分ひとりでは決めにくい方も含めて、その人の思いや背景に寄り添う「意思決定支援」へと考え方が移りつつあります。
2. 意思決定支援の3つの分類
意思決定支援は、本人の状態に応じて次の3つに分けられます。
- 自己決定支援:必要な情報を伝え、本人に自分で決めてもらう支援
- 支援付き意思決定:自分で決めることに不安がある方のために、環境を整えて決定を支える支援
- 意思推定支援:意思を表すことが難しい場合に、チームで本人の意思を推し量って判断する、あくまで最終手段の支援
3. 支援者が押さえたい3つの基本原則
現場での判断のよりどころとなる、ガイドラインの3原則です。
- 誰にでも意思はある
言葉を話せない1歳半の子どもでも表情で気持ちを伝えるように、生活史や表情の中にヒントがあります。意思がまったくない人はいません。 - あらゆる支援を尽くす意思推定は最後の手段です。あきらめずに手を尽くし、そのプロセス(記録やチームでの話し合い)を残しておくことが、法的にも支援の面でも大切です。
- 一見不合理に思える判断も尊重する
支援者の「正論」を押し付けてはいけません。命や重大な損失に関わる場合を除き、本人の選択を尊重します。
4. 現場で実践するための6つの姿勢
現場で生じる葛藤に向き合うための、具体的な姿勢です。
- 信頼関係を築く:否定せずに受け止め、共感する。
- 本人の強み(ストレングス)に目を向ける:できないことではなく、「できること」に着目する。
- わかりやすく説明する:専門用語を避け、絵や紙芝居を使ったり、本人が信頼する人から伝えてもらったりと工夫する。
- 一人ひとりを理解する:病名や障害名でひとくくりにせず、これまでの人生の物語や、「支援拒否」に見える行動の本当の理由を理解する。
- 本人の声を大切にする:家族の意向よりも本人の声を優先する。「施設に入るか入らないか」といった二択にせず、ショートステイの体験など、第3、第4の選択肢をつくる。
- 失敗する機会を守る:所持金でバス代ではなくタバコを買って息を切らしながら歩いて帰ってきた例のように、危険のない失敗には付き添い、ねぎらって次に活かす。
まとめ:とても素晴らしい内容の講義でした。
正直なところ、現場ではこれほど時間をかけて本人と向き合うのは難しく、「やりたいけれど、できない」という葛藤もあります。それでも、すべてを完璧にやろうとしなくてもいいのだと、今日の学びで気づかされました。まずは、本人の表情や言葉に耳を傾けることから。小さな一歩でも、積み重ねれば、その人の思いに近づけるはずです。今回学んだことを胸に、できる範囲から、少しずつ取り入れていきたいと思います。


